東北の旅2015
(2015/8/2~7)



 毎年夏になるとどこかへ出かけていたためか、暑くなり急に旅行に行きたくなり東北へ行ってきた。今回は数年前から行きたいと思いながらなかなか行けなかったところ、秋田県の角館と青森県の奥入瀬へ。ここは40年位前に高校の友人といった所だ。そのときは時間がなくゆっくり見ることができなかったので、是非もう一度と思いながら40年が過ぎてしまった。そして青森県の下北半島へ。ここは10年位前に行ったが、都合により恐山へ行くことができなかった。今回はその恐山と尻屋崎灯台へ。10年ぶりの寒立馬との再会である。今回はめずらしく天気も良く、さりとて暑すぎることもなく最高の旅行となった。旅の思い出を少しでも感じてもらえれば幸いです。


角館武家屋敷。豊かな緑と黒塀が実によく似合う。
夕方のためすでに門は閉められている。





ここではこんなものが似合うのだ。
何となく気が安らむ。





内部から外を覗えるよう塀に出窓がついている。
武家屋敷は何かおしゃれだ。





郵便ポストもこの形が良い。
赤と黒、スタンダールか。





茅葺き屋根の武家屋敷、縁側に雪国ならではの工夫が施されている。




屋敷内には至る処に蔵がある。
何ともおしゃれな空間だ。





武家屋敷の庭は真夏でも暑さを感じない。
苔の緑が目に染みる。





苔を守るためか庭に通路ができていた。
これがまた良く似合っている。




    
欄間にある透かし彫り。左側の欄間の影が右側のように隣の部屋の壁に映る。遊び心満点だ。




蔵の中には骨董品や昔の貴重な写真が展示されている。
これはナポレオン三世贈呈の仏式皇帝装の将軍徳川慶喜である。
最後の将軍も結構西洋に憧れていたのですかね。





こちらは外町の西宮家。内町の武家屋敷とはちょっと違う町人の町だ。
建物は明治中期のものである。





昔のガラス戸は良くできている。磨りガラスの中央が透明になっている。




西宮家で近くに太田さんという方の洋館があり、
「絵になるので見てご覧なさい。」と勧められ写真に納めた。
なるほど絵になる建物だ。こんなふれあいがうれしい。





安藤醸造本店。
煉瓦造りの蔵座敷は明治24年に建てられた東北地方現存最古のものだ。
分厚い黒塗りの扉と煉瓦が良く似合う。





安藤醸造本店にある井戸水。
味噌・醤油の醸造に使用しているそうだ。
お水にも神が宿る。





ここからはガラッと変わって奥入瀬渓流です。
美しい自然と清らかな水の流れをご賞味下さい。





奥入瀬川本流にある唯一の滝、銚子大滝。
森林に囲まれた本流の滝のスケールの大きさに圧倒される。





九段の滝。階段状の岩肌が水に濡れて美しい。




苔むしる岩の中を柔らかく流れていく、まさに絶景だ。




木漏れ日が森林を静流を輝かせる。
いくら見てても飽きの来ない吸い込まれるような美しさがある。





本流の奥に白糸の滝が見える。
この奥ゆかしさがたまらない。





本流の脇にベンチがある。そのベンチも苔むしている。
ベンチの役目を果たさないが、それもここでは許される。





白布の滝。まさに白い布を垂らしたようだ。




雲井の滝。脇道から奥に入った所にあるが、一番多くの観光客を引きつける。
豪快な滝と清らかな水の流れが人を呼び込むのか。





石ヶ戸の瀬。国道脇にこんな渓流が永遠と続く。




あちこちの山奥から渓流に水が流れ込む。
豊かな自然の宝庫だ。
いくら見てても飽きが来ないが、奥入瀬をあとにする。





十和田湖からちょっと入った高台にある十和田神社、歴史を感じる重厚な造りに圧倒される。




十和田湖畔に建つ高村光太郎作の『乙女の像』。
像の脇に記された光太郎の誌『十和田湖畔の像に与う』は強烈だ。
「立つなら幾千年でも黙って立ってろ」
目が覚める思いがした。





ここからは下北半島恐山である。
この世とあの世を分ける三途の川を渡る太鼓橋。
この川が三途の川か。




      
三途の川の前には、奪衣婆(たつえは、左)と懸衣翁(けんねおう、右)がいる。
奪衣婆は身ぐるみをはがしてしまう。
懸衣翁はその衣類を受け取り、傍らの柳の枝に懸け、
その枝の垂れ具合で生前の悪業の軽重を推量するそうだ。





恐山山門。恐山は何か暗いイメージがあるが、実際にはきわめて明るく美しい所であった。




本尊安置地蔵殿の前にあるこの亀のような置物だけは、
この世のものとは思えない恐ろしさを感じた。





無間地獄周辺には噴火の痕も生々しい光景が広がるが、
何かさっぱりしていておどろおどろしい感じは全く受けない。





中にはこんな石が積み上げられている。
これぞ神のなせる技か。





地獄の風景を抜けると極楽浄土が見えてくる。
右側のお地蔵さんの背面をご覧あれ。





背面には無数の手形が。
みんなが一つに繋がることを願っている。





宇曾利山湖。恐山にこんなに美しい湖があるとは想像もしていなかった。




五智如来。ここの石仏は何故か手ぬぐいを被っているものが多い。




六大地蔵の前で風車が回っていた。
その美しい色が目に染みる。
恐山をあとにする。





下北半島最高峰の釜臥山からむつ市内を臨む。
アゲハチョウの形をした市街地がくっきり浮かぶ。





本州最北東端の岬、尻屋崎。
ここには寒立馬と言う農耕馬が放牧されている。





太くしっかりした足と胴体は何か親しみが持てる。
10年ぶりの再会が心を躍らせる。





青い海に緑の芝生、そして馬。
このコントラストは実にいい。





馬の背中に烏が止まった。
いやがることもなく仲良く過ごす。





何と腹を上に横になる。
全く無防備だ。そして何かユーモラスだ。





こちらも手?足を上にして横になる。
まるで飼い犬のようだ。





子供たちが来て馬と触れ合う。
横になりぐっすり休んだ馬は何も気にしない。





目の前で草を食べる。
草をかむ音が聞こえてくる。





子馬が母馬からおっぱいをもらっている。
何とも長閑な平和な光景だ。





太平洋の風を受けじっとそこに立つ。
この旅ももうそろそろお終いか。
尻屋崎をあとにする。





太平洋岸を南に下がり、八戸市にやって来た。
ウミネコの繁殖地として有名な蕪島神社である。
神社前には左にひょうたん、右に蕪の置物が飾られている。





ハートの形やひょうたんの形の絵馬が奉納されている。
中にはきわどいことが書かれた絵馬も。
東北人のおおらかさか。




        
神社は階段を上がった高い所にあるが、その階段の途中には大津波の記録が。
4.1mと5.3m、津波の大きさを想像する。





ウミネコはいたるところにいる。
なかなか鋭い目つきだ。





ウミネコも生きるために必死だ。
けたたましい鳴き声とともに必死にえさを奪い合う。




こちらは種差海岸。緑の天然芝と荒々しい岩礁、そして青い海、ほしいものがすべてある。




青い海と青い空がくっついてしまう。広大な風景に心が安らぐ。




天然芝と松林のコントラストが気に入った。
一日の終わりが近づく。





八戸市で少し時間が余り、どこか行くところはないかと探した。
八戸キャニオン。石灰石鉱山の採掘場である。
そのスケールの大きさに圧倒された。
中央部付近に見える車が採掘場の大きさを物語る。





採掘場の中央部付近をアップした。
大型トラックやショベルカーが忙しく動いている。


八戸をあとにして今回の旅行も終了となった。
思いがけない風景や人との出会いもありよい旅であった。
まだまだ知らない日本がある、そんな気がした。




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