信州海野宿
(2017/3/13撮影)
長野県東御市の海野(うんの)宿を御存知であろうか。ここは北国街道の宿場町として、更に明治以降は養蚕により発展した町である。その宿場の建物と養蚕造りの建物が、伝統的な家並みとして保存されている。現在、重要伝統的建造物群保存地区に選定され、この時季は「海野宿ひな祭り」が行われている。すでに3月3日は過ぎているが、寒い地区なのでお彼岸の3月20日まで行っているということだ。実はTVを見て初めて知り、調べてみると十分日帰りで行けるところにあった。天気予報を調べ、この日に行くことを決めた。関東は曇りで雨もちらつく天気であったが、海野宿は快晴で気温も比較的高かった。観光客はごく少数でひっそりとしていたが、お店の人は親切で資料館や展示館などは充実しており、入場料も極めて良心的であった。これならばまた来てもいいと思った。蔵の街とちぎも是非見習ってほしいと、栃木県民としては地元を応援したくて思ってしまう。落ち着いた古い町並みとひな祭りをどうぞお楽しみ下さい。
古い建物にのれん、そしてポスター、奥にはひな人形も見える。
どの建物も基本的にこのスタイルだ。
2階の長短2本ずつ交互に組み込まれた格子戸は、海野格子と呼ばれる。
江戸時代のものだ。
屋根の上には蚕の飼育のために、気抜きといわれる小屋根がついている。
明治になって取り付けたものだ。
格子戸の古い建物が魅力的だ。
左側には本うだつ、右側には袖うだつが見える。
「うだつが上がらない」のあの「うだつ」だ。
海野宿ふれあいセンター。
古い建物をうまく生かして改装しながら使っている。
江戸時代のものをそのまま残した貫禄のある建物だ。
格子戸の奥に多くのひな人形が並ぶ。
古い建物が並んでいる。ポストもやはりこれが良い。
地面も昔風で落ち着く。
こちらは小屋根が2つある。
格子戸と白壁が美しい。
左の蔵と屋根が重なり合っている。
中央には英語塾の看板が掲げられていた。
格子戸の間からひな人形を覗く。
みんなこのようにしてひな飾りを見ている。
昔の建物をそのまま使った資料館。
昔の生活をしっかり丁寧に展示している。
資料館の内部。昔の土間や台所の様子が良くわかる。
資料館の2階は、蚕を育てていた様子をうかがい知ることができる。
囲炉裏に鉄瓶、何とも落ち着く。
資料館の中庭には、気抜きの小屋根を外して地面におき展示してあった。
築100年の建物を利用した福嶋屋。
ここの蕎麦とくるみおはぎは実にうまかった。
福嶋屋の座敷、古いタンスをうまく利用して昔のおひな様を飾っている。
格子戸から入る日差しは、実に気持ちが良い。
海野格子が実にきれいだ。
こんなもので伝馬に塩を与えたのか。
古い建物に良く似合っている。
こちらは明治時代の装飾を兼ねた袖うだつ。
何か格好いい。
この家の両脇が江戸時代の本うだつ。
元々は火災から守る役目があったようだ。
江戸時代の旅籠屋は、1階より2階の方が張り出した出桁造りになっている。
建物は古いが、出入り口には最新式カメラ付きのドアフォンがつけてある。
ここには生活しながら古い町並みを守ろうとする人達がいる。
廊下に展示してあった典型的なひな飾り。
格子がないので撮影には都合が良い。
こちらは民家の中に展示して見学できるようになっている。
吊し雛も展示してある。ひな段も見える。
格子の奥にひな飾りが見える。
多くの展示がこんな感じだ。
古風だがかなり豪華なひな人形だ。
こちらは多くのひな人形が並んでいる。
どれもこれも個性があって美しい。
これはまた何という迫力だ。すさまじい数の人形が並ぶ。
格子戸の内側から撮るとこんな感じにしか写せない。
それにしても一つ一つが豪華である。
蕎麦屋の入口脇の出窓にもひな人形が展示してあった。
ガラス工房橙では、ガラスの器を人形に見立てて展示している。
お見事。ついつい一つ買ってしまった。
菅原道真公を祭る天神講の祭神として鎮座された像。
何かかわいらしい。
こちらは「なつかしの玩具展示館」の内部。
古今東西の玩具を所狭しと並べている。
これはなかなか見応えがあった。
Dining楽やふる里館が並ぶ建物の入口。
昔の生活を展示しているのか、無造作に置いてあった。
こちらは、海野氏や真田氏の氏神でもある白鳥神社。
長い瓦屋根がとても印象的だ。
白鳥神社の境内に置かれた神様。
恵比寿天と大黒天と見たがいかがか。
中央に用水が流れ、両脇は江戸時代や明治時代の建物が並ぶ。
川越のような賑わいはなく、ちょっと人を受け付けないような雰囲気もあるが、
大切なものをしっかり守っていく強い意志が感じられる。
実に魅力的な素敵な街だ。
機会があったらまた行ってみたい、そんな気が起こるところだ。